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 『すばらしい労働、大量のパン!』
 オストロフスカヤはソ連邦穀物生産省からそのキャリアをスタートさせた

ガレンカ・オストロフスカヤはウクライナの出身である。
政治学者としてキャリアを積む一方で、星間探査などの第一線でも活躍してきた。人類がタラッシに敗北したあと、党とアカデミーが彼女を書記長に選んだのは、その広い知見に期待するところがあったのかもしれない。
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オストロフスカヤはこう書いている。
タラッシとの戦争に負けたことで、ソ連邦は大きな衝撃を受けた。これまでの平和な探査・植民時代は終わった。宇宙は相手プレイヤーのいるチェス盤なのだということを我々は知った。

タラッシの侵攻を防ぎ、国を強くしなければならない。
わたしのやるべきことは、この複雑なパズルにピースをひとつひとつはめていくことだ
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 人類とトラクポシアン(蟻)で構成されるソ連邦人民

「書記長となって初めにやったのは強制労働キャンプの廃止だ。思想的な理由ではない。総合的に見て無駄を生み出しているセクターだったからだ。だが副次的効果として、わたしはきわめて強固な人民の支持を得ることができた」
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 2人種、63POPのすべてが国家に忠誠を誓っている
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「そしてソ連邦には同盟が必要だった。
以前支援を受けたビルノック人に技術と星図を売り、資源とエネルギーの供給交渉をした」
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 友好度は高いのに、まったく同盟が結べない 
 Base-50、Hardモード-25、集産主義-30など悪条件重なる

「しかし彼らは同盟については首を(あれが首だとして)縦には振らなかった。同盟を結ばずにタラッシと戦うことなどできはしない。では、我々はどうすればいいのか?」
 
マクシム・ゴーリキー 
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「ある日、コロリョフ設計局のヤロスラフ・アレクセイエフという若い技官がわたしをたずねてきた。

マクシム・ゴーリキーという名の新兵器を考案したというのだ。それは大きな防衛プラットフォームで、星系内のどこにでも置くことができる」

「アレクセイエフいわく、
1. ソ連邦宇宙軍はヴォイド航行能力がなく、銀河内腕の敵根拠地へ主力部隊を送り込むことができない。
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 一方的に侵攻されるだけ

2. タラッシ対ソ連邦という1国ベースでみても、総火力で1K-2Kの開きがある。またソ連邦は急速な領土拡大によって技術の発展が遅れている。
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 タラッシの軍事力は常にソ連邦に対してoverwhelmingかsuperiorだ
 
3. そこで、タラッシからの侵攻ルート正面にあたる太陽系を、防衛ステーション群(ワープ阻害型)で聖域化。その射程内で艦隊決戦を行い勝利する。防衛ステーションは艦船にくらべると安価で、キャップにも縛られない」
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 防衛プラットフォーム『マクシム・ゴーリキー』型
 タラッシ艦に対応してシールドのみ

「なるほど、という感じではある。20世紀のソ連邦海軍が白海でとった戦略からヒントを得たそうだ。ただし目的は戦略ミサイルの安全な射出ではなく、艦隊決戦における勝利だ。

わたしは熟慮の結果、彼の提案を採用した。巡洋艦の開発計画をキャンセルし、マクシム・ゴーリキーを量産するよう命じた。この選択が吉と出るよう祈ろう」
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「2247年、わたしの古巣である生物科学研究所の諸研究が実り、海洋惑星への植民が可能となった。

そこでソ連邦はトラークトル星系、プラウダ星系などに植民を行い、『万国人類同盟』を名乗る資本主義者たちの出口をふさいだ」
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「そしてタラッシの監視をかいくぐって、辺境のコミュニズム星系でひそかに造艦を開始。ネレーイ級駆逐艦の整備をメインに艦隊総火力を3.3K(90隻)まで伸ばした」

「2252年には駆逐艦量産コンビナートの建造を開始した。もはや我々が再軍備の途上にあることは第2象限中に知れ渡っていた。タラッシはさぞかし腹を立てているだろう。彼らがいつどのような反応を見せるかはわからない。これはきわめて危険なゲームなのだ
 
資本主義傀儡
ガレンカ・オストロフスカヤ書記長はこのように様々な手を打ったが、離反した資本主義者については手をつけかねていた。
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 万国人類同盟
 星系数に差がないため、時間と共に総火力で追いついてくるはず

国家保安委員会の報告によれば、資本主義者たちの内情はうすら寒いものだった。サボタージュが横行し、同国の工業生産はほぼストップしていた。人民の心はあくまでソ連邦とともにあったのだ。

艦船枠・技術ではソ連邦と同レベルであるものの、実際の建艦ペースはきわめて低調だ。「艦隊は総火力にして1Kを切っている」という報告もあった。
 
重要なこととして、タラッシは彼らに独立保証を与えていなかった。同盟に誘い入れるのではなく、武力併合を考えていたのかもしれない。

しかしこれはソ連邦にとってまたとない好機だ。
オストロフスカヤ書記長は次のように書いている。
「ルビコンを渡ることにしよう。戦力差が一番大きい今、動かねばならない。奪われた惑星を取り戻すのだ」
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2250年5月、ソ連邦は資本主義傀儡に対して宣戦を布告。演習目的でクラースナヤ・ズヴェズダー星系に展開していた艦隊は、電撃的にオゴニョーク星系へ侵攻した。

予測通り、資本主義者たちは総火力900程度の艦隊しか持っていなかった。これでは負けるわけがない。こうして人類国家同士の初の会戦はソ連邦の圧勝に終わった。
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 爆破されるオゴニョークIIIの軌道港

オゴニョークIIIの軌道爆撃についてのプロパガンダを信じる必要はない。平和と友好のソ連邦が同じ人類に対してそのような凶行を行う理由がないからだ。

同様に地上戦もなかった。ソ連邦宇宙軍歩兵は礼儀正しく整然とオゴニョークIIIに進駐し、植民者たちは彼らを歓迎した。
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 オゴニョークIIIを解放するソ連邦宇宙軍歩兵
 海軍歩兵の伝統を受け継いでいる

傀儡政権は倒れ、人民民主主義諸国顧問局が選んだ植民者の代表が政権についた。すべてが迅速に行われたので、タラッシは非難の声明を出すのがやっとだった。
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 指導者層はつねにソ連邦の指導を仰ぐことができる

こうして万国人類同盟はソ連邦の自発的同盟国となり、平和と繁栄を共有することになった。背後の危険は消え去ったのである。
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 さらに2263年、万国人類同盟はソ連邦への参加を表明
 合同には影響力3/monthを消費して20年かかる見込み
 
外交戦
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党の政治局が忙しくなったのはそれからだ。
2253年、友好国に出していた使節を引き上げて、敵である大協約諸国(タラッシ、ロレンドラ)に使節を派遣することになった。目的はただ1つ、『侵攻の回避』。

「こちらから侵攻する意図がないことを明らかにせよ。また大量のヘリウム3とレアメタルを両国に供給することを約束するように」とオストロフスカヤ書記長は使節に指示している。

当時タラッシとロレンドラは第3象限での戦争に忙しく、第2象限でことを構える余裕はなかった。これを好材料とみて、ソ連邦のほうから急速な関係改善をはかったのである。

またロレンドラのキノコ星人がソ連邦の強制収容所政策と粛清政策に懸念を表していることを知ると、書記長命令を出してこれを廃止。両国の関係は著しく改善し、ロレンドラによるソ連邦の危険国家指定の取消が行われた。
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 人とキノコは理解しあえる
 ロレンドラ人はマイタケに近縁といううわさ

その後もソ連邦は特にロレンドラに対する外交努力を続け、2258年には同国と相互不可侵条約を締結。大協約諸国とのあいだに急速なデタントを実現させた。

このキノコ国家ロレンドラは星系3の小国ながら多国間関係を築いており、第2象限における枢軸といえる重要国だ。ソ連邦の星際関係はここにきて大きく動き始めた。
 
6時航路
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2253年、ソ連邦はマティン帝国(牡蠣星人)に独立保証を与え、その代償として領土通過権を獲得。銀河腕の6時方向へのさらなる探査が可能となった。
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 6時航路沿いに探査船を送る
 初の第3象限へ
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探査船プログレス4号の主任科学者、マーヴィン・グリーンは7年にわたってこの銀河腕の先端を探査した。彼はこの6時航路で4つもの可住惑星を発見し、さまざまな興味深い天体と遭遇した。
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「すさまじいエネルギーだ! 美しい律動を刻むミリ秒パルサー。そのあふれる力を回収すべく、建設船エネルギヤ3がステーションの建設を行っている。エネルギヤ3のクルーはつくづく勇敢な連中だ」
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「人類は初めてブラックホールの系内に足を踏み入れた……。この天体はおぞましく、美しい。あの降着円盤はまるで私たちを誘っているかのようだ。見るからに危険なのに、離れることができない。私たちはこの天体を『悪魔の胃袋』と名付けた」
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「2256年10月、6時航路の突端で、私たちは新たな文明に出会った。ルファーリという名の……これはカワウソと表現すればいいのだろうか? それにしてもどこかで聞いたような名だ」
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 6時航路もまたfallen empireに閉塞されていた
 探査とは別に、外交ルートから第1、第3象限の情報が入ってきている

「ルファーリもまた聖鳥文明と同じく、人類についてはほとんど興味がないようだ。彼らにとって私たちは、ごく最近生まれた近所の子猫のようなものなのかもしれない」
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 4惑星同時植民の間、ソ連邦は電力不足に悩まされた

グリーン博士が探検した外腕の突端は『遠マティン宙域』と名付けられた。同時に4つの植民プロジェクトが実行され、それぞれの星系はピャチレートカ(5ヶ年計画)、エレクトリフィカーツィヤ(電化)、ペレストロイカ(再構築)、ウスコリェーニェ(加速)と命名された。

この中でもっとも本国に近いピャチレートカには軌道港が整備され、探検と植民の基地として栄えることになる。

世代交代
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2060年、すでに高齢だったオストロフスカヤ書記長は引退を考えていた。そこで後任にベネズエラ人のガブリエラ・マルティンを選び、彼女に書記長職を禅譲した。
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また、ゼロから宇宙軍艦隊を作り上げたアアラヴ・グプタ中将もすでに退役し、副官のレイラ・ドヴィル准将が艦隊を受け継いだ。彼女が率いる艦隊の総火力は3.3K。タラッシ(推定5K)とのギャップはまだ大きいが、それなりに戦える数となってきた。

ドヴィル准将による艦隊機動は見事なもので、対宇宙タコ演習では艦隊平均68%もの敵弾回避率を誇ったという。
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 改良されたコメータII型コルベット(高回避型)
 強力な反物質ミサイルと第2世代シールドを搭載している
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 太陽系要塞の建設も進んでいる
 マルティン書記長は防衛ステーション建設にボーナスがある

このようにソ連邦は世代も変わり、新しい体制となった。
 
しかし主敵は変わらない。ソ連邦では軍民ともに『タラッシが攻めてくる』という恐怖が蔓延していたし、毎日のように新しい軍艦が起工された。いくらデタントが進んだといっても、軍拡を止めるまでには至らなかったのである。

人々は軍のパレードで赤旗を振りながら、また第一書記の演説に割れるような拍手を送りながら、「でも、いったい、いつになったらこのタラッシとの戦いは終わるのだろう」と考えるようになっていた。