「私の名はクリティク・カバナカ。
私がはじめて人類の存在を知ったのは6歳のときだ」
Homeland--
 祖国よ、あなたの任務は達成される!

「そこらじゅうに貼られている宣伝ポスター。赤と黒で描かれた奇妙な生物。私は姉たちにこれはなにかと尋ねた。『人類だよ』と彼女らは答えた。『偉い蟻だ。私たちを支配している』」

「しかしそれはとても蟻には見えなかった。
『女王蟻よりも偉いの?』
そう聞いた私を姉たちは笑った。
『おかしなことをいう子だね。女王蟻より偉い蟻がいるはずがない』」
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「映像で人類を見たのは10歳のときだった。
彼女たちはこのポベダから遠くはなれた星々で、大きな船に乗って鳥人と戦っていた」
34
 2300-04年、ソビエト=ジャアジジャン戦争
 それまでの戦争で大協約諸国(黄色)はジャアジジャンの領土の半分を奪取していたが、残りのジャアジジャン領を調和協商国(赤)に取られないよう保障占領を図った
名称未設定
「ヴィドに映る人類は私たちとはまったく違っていた。彼らの甲殻は生まれたての幼生のようにやわらかく、目は濡れていて小さかった。私は彼女らに魅了された。自分もはるかな星々で戦いたいと思った。
『それは無理だ』と姉たちは言った。
『私たちはトラクポシアン人で、だから戦うことはできない。人類はそれを許さないだろう』」

「育つにつれ、私は人類がトラクポシアンに負わせた重荷を知った。彼女らは私たちの国を壊し、女王蟻を連れ去り、星の名さえ自分たちの言葉の『勝利』に変えた。この星は元はなんという名だったのか。それはもうわからない。忘れ去られてしまった」
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 惑星『冬』

「人類はポベダのほかに私たちに2つの極寒惑星を与えた。温情からではない。自分たちが住める環境ではないが、ここに植民して彼女らの帝国を広げる必要があったからだ」

「私たちの国、『冬』自治ソビエト社会主義共和国は完全な自治を行っていることになっている。もちろん実態は違う。地球に資源を出せと言われれば出し、エネルギーを出せと言われれば出す、ただの働き蟻なのだ」

「だが、このようなことを口にすることは許されなかった。人類の忠実な奴隷がトラクポシアン人に多くいたからだ。彼女たちは人類に従い、その文化を取り入れようと努めた」

「赤旗、ピオネール団、ソビエト宮殿、スローガン、土曜労働……。私たちは人類のやることはなんでも真似した。ありがたいことにそれは大して難しくなかった。ソビエト社会主義はそれが非効率であることを除けば、蟻の生態にいくらか似ている」
35
 人類に次ぐPOP数を誇るトラクポシアン
 それなりに党に忠実だ

「私は勉強ができたので、地球に留学することになった。たくさんの姉妹たちが私を見送ってくれた。極寒惑星に移住するトラクポシアン人はいても、地球に送り出されるトラクポシアンは私がはじめてだったからだ」
 
蟻人の秀才
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 ソ連邦主星、地球
 Empire Capital(白枠)による影響力+1は大きい
 右下は人民の恐怖『博愛省』(思想偏向-15%)

クリティク・カバナカが留学したのは博愛省傘下のヤロスラフ・マカロフ政治学研究所である。ここでは彼女は『蟻人の秀才』として通っていた。

「なんと壮大な都だったろう! そこには摩天楼が林立し、街路は人類で満ちていた。だが私はトラクポシアン民族の代表者としてこの都に来ているのだ。少数民族だからといって、なめられてたまるものか」

カバナカは指導民族である人類と対等に議論できる胆力の持ち主だった。だが非人類ということで嫌な思いをすることもたくさんあったようだ。政治学研究所では彼女は安全保障学を専攻し、ソ連邦の領域拡張について研究した。
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彼女の最初の報告は第2象限の遠マティン自治ソビエト社会主義共和国についてだった。「この星域は急速に発展している。その居住惑星数は10を越えた」と彼女は書いている。

「熱帯性惑星への植民技術が実用化されたことで、植民事業は急速に発展した。人類だけが植民を許されているため、近い将来この星域は本国に並ぶ人類人口を誇ることになるだろう」
28
技術発展には裏付けがあった。
ソ連邦は同盟国のロレンドラ、ファフォッサンと協定を結び、いくばくかのセレンやプルトニウムと引き換えに各方面での技術ブーストを得ていたのである。

「しかしソ連邦はタラッシとだけは協定を結ぼうとしなかった」とカバナカは書いている。「敗戦後60年が過ぎてもまだ人類の間にはタラッシへの悪感情が渦巻いていたのだ」
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またカバナカはソ連邦宇宙軍の新拠点についても興味を示していた。
「ディム星系(のちのタヴァリシチ星系)が新たな焦点となった。ここに軍港を築くことで、太陽系から遠い調和協商国(右下)への戦力投射が可能となる。またこの星系は新たな仮想敵のひとつビルノックにも近く、太陽系と合わせて戦略的な強みを発揮できる」
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しかしこの星系のタヴァリシチIVは砂漠惑星だった。これでは人類(大陸性)もトラクポシアン(極寒性)も植民不可能だ。
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「そこで、ソ連邦星間移住省は2つの手段を考えた。
・砂漠適性のあるジャアジジャン鳥人を強制移住させる
・ジャアジジャン文明が開発していたロボットを当星系に輸送する
実際には後者が選択された。
しかしこれは大きな失敗だった」
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「というのも、ロボットは自然増殖しないからだ。しかもロボットの数は限られているため、追加の植民も不可能。結局、ソ連邦が外骨格技術とロボット技術を発展させて自力でロボットを製造できる状態になるまで、タヴァリシチIVは上の状態のままだった」

「なぜ星間移住省はロボットに固執したのか?
ジャアジジャン鳥人の反乱を恐れていたのだ。ロボットなら反乱する心配はない。絶対に反乱しないロボット惑星によりにもよってタヴァリシチ(同志)という名が与えられたことは、わたしには悪い冗談に思えた」
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 2312年、ソビエト連邦(白枠)
 黄枠は同盟相手の大協約諸国
 
ビルノック戦争
カバナカはまた、3次に及んだビルノック戦争についても記述している。
07
「ビルノックはかつての友好国だ。だがソ連邦が大協約に参加すると徐々に関係が悪化し、いまでは敵となった。人類の中にはビルノックと結んでタラッシを撃滅しようという考えの者も多いようだが……」
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 第2次ビルノック戦争終了時
30
 第3次ビルノック戦争終了時

「2313年に始まったビルノック戦争はソ連邦の勝利に終わり、彼らの主星ビルナッガほか数多くの星系を解放した。だがこの戦争の真の成果は領土というより、技術の獲得にあった」
28
 第1世代宇宙魚雷を飛び越して装甲魚雷の開発に成功

18
「はっきり言ってソ連邦は技術後進国だ。だがより技術の進んだ敵艦船の残骸を調査することで、リバースエンジニアリングによって大きな技術進歩を得ることができる。ソ連邦宇宙軍の主力艦であるアトラーント級防護巡はこの装甲魚雷によって更新され、大きな火力投射力を得た」
16
 237設計戦列艦

「またさらに上位の主力艦も構想された。237設計艦がそれで、アウトレンジからの大型装甲魚雷の投射で敵艦隊を圧倒する用途のものだ。だが、工数の多さと機動力のなさを嫌われて量産には至らなかった」
49
 コムソモーレツ級護衛駆逐艦
 兵装面だけでなく、機関、シールド、AIで大きくキャッチアップ

「一方、237設計艦の随伴艦として構想されたコムソモーレツ級は、これだけで量産ラインに乗った。敵ミサイルや艦載機からアトラーント級を護衛するのに好適であるとみなされたのだ」
 
多民族国家へ
20
2325年、ソ連邦科学アカデミーのシヴァンギ・シャストリが書記長に選出されると、ソ連邦の姿は大きく変わった。
04
彼女は党の内局の構成を見直し、より党の指導が行き届く体制を構築した。その結果、ソ連邦直轄惑星はこれまでの5から6に増加。またソ連邦の影響力もさまざまな側面で増大した。
52
 シャストリ個人の資質で影響力+1
 また奪取した敵首都惑星ビルナッガの施設でさらに+1
 プレイを通して初めて影響力に困らなくなった
06
しかしカバナカにとってもっとも影響が大きかったのは、「人類以外の移民」「人類以外の公職参加」を解禁したことだ。カバナカは興奮を抑えきれない調子でこう書いている。

「ソ連邦の理想! 多民族が手に手をとりあい、お互いの足りないところを補っていく。それはもはや夢ではないのだ。シャストリ書記長はいままで単なる党のプロパガンダだったものを一歩実現に近づけた」

2329年10月、クリティク・カバナカは首都の政治学研究所を辞し、『冬』自治ソビエト社会主義共和国に帰った。
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彼女は自治共和国の第1書記に任命されたのだ。非人類では初めての抜擢である。シャストリ書記長の多民族化政策の一環として、この人事はソ連邦中で注目された。

「緊張で手が震える。私にその能力があるのだろうか」
カバナカはそのように記している。
15
 第3次ビルノック戦争中の宙域をくぐりぬけるスリルある植民

第1書記カバナカの事業としては、第1象限の可住惑星ミールへの入植が挙げられる。ここは初めての多民族入植地となり、人類、トラクポシアン、カラクセナンが同時に入植することになった。
14
 カラクセナン民族は新天地に活路を見出した
 3民族POPが同時増殖するので埋まるのが早い

クリティク・カバナカは人類とよく協調しつつ、トラクポシアンの権利を最大限に押し広げた。その統治は人民に愛され、彼女はトラクポシアンにも人類にも良き指導者として記憶されている。